新宿の吉本興業本社はなぜ元小学校?行き方や一般見学の真相を追う
吉本興業がこの地に東京本部を構えたのは2008年のことです。それ以前は目黒区上目黒や港区六本木などに拠点を分散させていましたが、業務効率の向上とクリエイティブ機能の統合を目指し、新宿区が実施した区有地活用公募プロポーザルに応募。旧四谷第五小学校の校舎・敷地を長期賃貸借契約する形で移転が実現しました。
旧四谷第五小学校は、1934年(昭和9年)に東京市によって建設された鉄筋コンクリート造の近代建築です。アールデコ調の優美な曲線を描く階段室やレトロな丸窓、外壁タイルなど、戦前のモダニズム建築の粋を集めた意匠が今も大切に保存されています。都心のドーナツ化現象に伴う児童減少により1995年に惜しまれつつ閉校した後は、地域の生涯学習施設や映画・ドラマの撮影ロケ地として暫定利用されていました。
吉本興業がこの歴史的校舎を選んだ背景には、単なるコスト面だけでなく以下の3つの明確な理由が存在します。
- 多様な空間の有効活用:体育館を制作発表記者会見場や稽古場、大規模オーディション会場に転用し、教室を個別会議室やデスクスペースへ柔軟にリノベーション可能だった点。
- 新宿という文化発信地との親和性:ルミネtheよしもとをはじめとする直営劇場やキー局へのアクセスが抜群であり、創業の地・大阪からの新幹線移動や地方展開にも即応できる利便性。
- 歴史的遺産の継承と地域共生:取り壊しの危機にあった貴重な近代建築を維持・保全し、新宿区の地域活性化事業や防災拠点としての役割を共有するCSR(企業の社会的責任)戦略。
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