高力ボルトとは?普通ボルトとの違い・摩擦接合の仕組みと規格を徹底解説
Q1:普通ボルトを高力ボルトの代わりに主要構造部へ使うとどうなりますか?
A1:普通ボルト(SS400相当など)は引張強度が約400N/mm²と低く、摩擦接合に必要な強大な軸力を導入できません。仮に主要構造部(柱や大梁の接合部)に使用した場合、地震や強風による水平せん断力に耐えられず、ボルト孔の変形やすべり・破断が発生し、建物全体の倒壊や著しい残留変形を引き起こす極めて危険な違法状態となります。
Q2:トルシア形ボルトの本締め中にピンテールが折れず、ボルト全体が一緒に回ってしまう(共回り)場合はどう対処すべきですか?
A2:共回りが発生したボルトは適正な軸力が導入されないため、施工不良となります。そのボルトは取り外して新品のボルトセットに全数交換しなければなりません。共回りの原因としては、一次締め不足、摩擦面の密着不良、ボルトネジ部の錆やゴミ噛み、あるいはレンチソケットの摩耗・噛み合わせ不良などが考えられるため、原因を取り除いた上で再施工を行います。
Q3:溶融亜鉛めっきを施した高力ボルト(ドブめっき高力ボルト)を使う際の注意点は何ですか?
A3:溶融亜鉛めっき高力ボルト(F8T規格や国土交通大臣認定品など)は、優れた防錆性を持つ反面、めっき皮膜の摩擦特性により締め付けトルクと軸力の関係が標準品と大きく異なります。また、過去に高強度鋼特有の「遅れ破壊(水素脆化による突然の破断)」が問題となった経緯があるため、現在では引張強さを800N/mm²級(F8T等)に抑えた専用規格品や遅れ破壊対策を施した大臣認定品を使用し、摩擦面にも専用の粗面処理(りん酸塩処理やすべり耐力確保処理)を行う必要があります。
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