ワンピース『海導』歌詞の意味と考察|ゼット最期と海軍鎮魂歌の真相
『海導』の真価を理解する上で欠かせないのが、映画の敵役であり主人公とも言える元海軍本部大将・ゼファー(ゼット)の歩んだ過酷な半生です。
ゼットはかつて「不殺(ころさず)の大将」として名を馳せ、青キジ、黄猿、赤犬をはじめとする名だたる海軍将校を育て上げた伝説の教官でした。しかし、愛する妻子を海賊に惨殺され、さらに自らの右腕を切り落とした海賊が「王下七武海」に加盟したことで、政府と海軍の掲げる“正義”に絶望。海軍を去り、すべての海賊を殲滅するために新世界そのものを滅亡させようとする「NEO海軍」を結成しました。
彼が選んだ道は、数千万、数億の無辜の民を巻き込みかねない破滅的な暴走であり、紛れもない「大罪」でした。しかし、劇中で流れる『海導』の「海は許してくれる 犯した罪も」というフレーズは、まさにゼットその人の魂に向けられた救済の言葉となっています。
どれほど道を踏み外し、世界を敵に回したとしても、彼が生涯をかけて貫こうとした信念と苦悩を海だけは知っている。海軍の鎮魂歌でありながら、海軍を憎み、海軍に討たれるゼットの最期を包み込むという皮肉で美しい構造が、観客の心を激しく揺さぶるのです。
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