ワインの持ち方は脚かボウルか?国際マナーの真実と恥をかかない所作

ワインの持ち方は脚かボウルか?国際マナーの真実と恥をかかない所作に関する主要な事実を徹底的にまとめました。最新データをご確認ください。

「グラスの脚を持たなければ無作法」という認識は、日本国内において長らく定説とされてきました。しかし、外交儀礼や各国の宮中晩餐会を統括する国際プロトコール(国際儀礼)の公式基準を開くと、意外な事実が浮かび上がります。国際的な公式ルールブックにおいて推奨されているのは、脚ではなく「ボウルの下部、脚の付け根付近を親指・人差し指・中指で支える持ち方」です。

国家元首クラスの公式会談や王室の晩餐会において、各国の来賓がボウル部分を指先でしっかりと保持しているのは、決して無知や無作法によるものではありません。そこには、格式ある社交場ならではの極めて現実的な理由が存在します。

第一の理由は、グラスの転倒や破損事故の徹底防止です。国際会議や公式晩餐会で使用されるクリスタルグラスは極めて薄く、脚も細長く繊細に作られています。背の高いグラスの脚だけを不安定に指先でつまむと、手の震えや周囲との接触によってワインをこぼしたり、グラスを倒して相手の正装を汚したりする致命的なリスクが生じます。重心に近いボウル下部を包むように支えることで、物理的な安定感を確保するのが社交界における最優先の配慮なのです。

では、なぜ日本においてのみ「ステムを持つこと」が絶対的な正解として広まったのでしょうか。背景には、1980年代以降のバブル経済期に起きたワインブームと、ソムリエ資格の急速な普及があります。ワインを評価・審査する専門家たちの「色調を正確に見極める」「体温をワインに伝えない」というプロ向けのテイスティング作法が、マナー講師や一般メディアを通じて「ワインを飲む際の普遍的な正解」として逆輸入され、定着した歴史的経緯があります。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

タグ: https://blog.oasisdigital.com/owllink/1005991/