ちびまる子ちゃん大野くんと杉山くんの友情と将来の現在地
大野くんと杉山くんの絆を語るうえで絶対に外せないのが、1990年12月公開の劇場版第1作『ちびまる子ちゃん 大野くんと杉山くん』です。本作は原作者のさくらももこ氏自らが脚本を書き下ろし、ギャグアニメの枠を超えた珠玉の青春ドラマとして絶大な評価を受けました。
運動会の騎馬戦で起きた決定的な亀裂
物語の前半、無敵のコンビネーションを誇っていた2人に最大の危機が訪れます。秋の運動会、白組の勝利を背負って臨んだ騎馬戦で、大野くんが敵の鉢巻きを取ろうと焦るあまり、土台を務めていた杉山くんと呼吸が合わずにバランスを崩して敗北。白組は優勝を逃してしまいます。
負けず嫌いな2人は責任を押し付け合い、掴み合いの大喧嘩に発展。以後、口も利かない完全な冷戦状態へと突入しました。クラス中が腫れ物に触るような空気のなか、まる子たち周囲も2人の修復できない溝に心を痛めます。
合唱コンクールでの声のトラブルと奇跡の仲直り
関係が修復されないまま迎えた合唱コンクール。課題曲のメインパートを歌う大野くんでしたが、本番の壇上で突然声が出なくなるアクシデントに見舞われます。静まり返る体育館、パニックに陥りかける大野くんを救ったのは、隣にいた杉山くんでした。
杉山くんが大野くんのパートをとっさに引き継ぎ、力強い声で歌い継いだのです。お互いの歌声を重ね合わせ、見事に合唱を成功させた2人は、言葉を交わさずとも互いの存在の大きさを再確認し、完全な和解を果たしました。
突然の転校宣告と「広場での誓い」
しかし、友情を取り戻した直後、残酷な運命が告げられます。大野くんの父親の仕事の都合により、東京の小学校へ転校することが決定したのです。別れを惜しむクラスメイトたち、そして何よりショックを隠せない杉山くん。
お別れ会の後、2人は夕暮れの広場で将来の夢を語り合います。大野くんは「宇宙飛行士になって宇宙へ行く」、杉山くんは「航海士になって船で世界を一周する」と誓い合いました。「俺たちが大人になったら、お前は海から、俺は宇宙から、地球のどこかで絶対会おう」という約束は、作品史上に残る屈指の名言として今もファンの胸に刻まれています。