柔道選手の耳はなぜ潰れるのか?餃子耳の理由と治療法を徹底解説
柔道選手の耳が特徴的な形状に変形する最大の理由は、稽古中に繰り返される「強い摩擦」「圧迫」「衝撃」にあります。人間の耳介(外に出ている耳の部分)は、非常に薄い皮膚と軟骨膜、そしてその下にある耳介軟骨という柔らかい骨で構成されています。耳介には皮下脂肪がほとんどなく、血管は軟骨膜に集中しているため、外部からの刺激に対して非常にデリケートな構造をしています。
特に柔道の寝技(抑込技や絞技、関節技の攻防)では、相手の胴体や道着、畳に自分の耳が強く擦れ合います。また、立ち技の組み手争いにおいても、相手の頭部や肩、硬い道着の襟と耳が激しく衝突します。このとき、皮膚・軟骨膜と耳介軟骨の間に強力な剪断力(ズレる力)が加わることで軟骨膜の毛細血管が破綻し、軟骨と軟骨膜の隙間に血液や組織液が急速に溜まります。これが医学用語でいう「耳介血腫」です。
柔道の現場では、この血腫によって耳がパンパンに腫れ上がる現象を「耳が湧く(わく)」と呼びます。耳に熱感を帯びてまるで湯が湧くように膨らむことから生まれた表現ですが、この溜まった血液を放置すると、時間の経過とともに血液成分が線維化し、やがて新たな軟骨様組織へと置き換わって硬化(器質化)します。この「腫れと硬化」を何度も繰り返すことで耳介が何倍にも分厚くなり、凹凸の激しい餃子状の耳(カリフラワーイヤー)が完成してしまうのです。
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