最高峰の日本茶「玉露とは」何か?煎茶との決定的な違いと旨味の極意

最高峰の日本茶「玉露とは」何か?煎茶との決定的な違いと旨味の極意についての最新情報をご紹介します。

玉露を飲んだ人が一様に驚くのは、「砂糖が入っているのではないか」と錯覚するほどの凝縮された甘みです。この甘みと旨味の正体は、茶のアミノ酸の一種である「テアニン」です。

お茶の木は、根から吸収したアミノ酸を葉へと送り込みます。このアミノ酸(テアニン)は、太陽光に当たると光合成によって渋み成分である「カテキン(タンニン)」へと化学変化を起こします。一般的な煎茶はこの変化によって程よいカテキンが生成されますが、玉露は直射日光を95%以上カットして光合成を強制的にストップさせます。その結果、テアニンがカテキンへ変化せず、茶葉の中に高濃度でとどまり続けるのです。

玉露が高級品となる背景には、この徹底した科学的根拠に基づく栽培管理と、莫大な人件費・設備投資があります。

茶畑全体を覆う棚設備の設置や維持、天候に合わせた被覆資材の調整は熟練の技術を要します。さらに、柔らかい極上の新芽のみを選別して摘み取るため、多くは機械ではなく熟練の茶摘み手による「手摘み」で行われます。1本の木から収穫できる茶葉の量が煎茶に比べて圧倒的に少なく、全国の荒茶生産量の中でもわずか数百トン規模に限定される希少性こそが、100g数千円から1万円を超える高価格設定の裏付けとなっています。

歴史を紐解くと、玉露の起源は江戸時代後期の天保6年(1835年)、宇治郷の茶商人であった山本山六代目当主・山本嘉兵衛徳翁(やまもとかへいとくおう)が、小川栗林の茶園で製茶実験を行っていた際に偶然生み出した「玉の露」に由来すると伝えられています。その後、明治期にかけて製法が確立され、高級茶の最高峰としての地位を不動のものにしました。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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