ナウシカの曲全真相!主題歌が劇中で流れない理由とランララの正体
今日でこそ「宮崎アニメ=久石譲の音楽」という図式は世界的な常識ですが、1983年の企画立ち上げ当初、久石譲という名前は映画業界ではほぼ無名に等しい存在でした。国立音楽大学作曲科でミニマル・ミュージックを学び、CM音楽や一部のアニメBGMを手がけていたものの、長編大作アニメの音楽監督を務めた実績はありませんでした。
当初、制作サイドでは著名な大物作曲家を起用する案が有力視されていました。その流れを決定的に覆したのが、プロデューサーを務めた高畑勲氏の極めて冷徹かつ研ぎ澄まされた審美眼です。
高畑氏は制作初期、複数の音楽家に原作漫画のイメージをもとにした「イメージアルバム」の制作を依頼しました。そこで久石氏が提出した音源を聴いた高畑氏は、その圧倒的な構成力と革新性に驚愕します。単なるメロドラマ的ストリングスではなく、反復フレーズによる緊張感、民族音楽的なスケール感、そして鋭利なシンセサイザーの響きが見事に融合していたのです。
高畑氏は周囲の反対意見を押し切り、「この映画の音楽は、久石譲以外にあり得ない」と宮崎監督に強く推薦。宮崎氏もそのデモテープを聴き即座に賛同しました。当時33歳だった無名の青年作曲家への大抜擢は、日本のアニメーション音楽におけるシンフォニック・サウンドの概念を根底から書き換える歴史的転換点となったのです。
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