幻のニホンオオカミ大口真神の正体とは?ヤマトタケル伝説と信仰の真相
江戸時代に入ると、大口真神への信仰は「お犬様(おいぬさま)信仰」として爆発的な崇敬を集めました。その中心地として現代も全国から篤い信仰を集めているのが、埼玉県の秩父山中に鎮座する三峯神社と、東京都青梅市の秀峰・御嶽山山頂に位置する武蔵御嶽神社です。
三峯神社の境内に足を踏み入れると、一般の神社で見かける丸みを帯びた狛犬は影を潜め、凛とした立ち姿の精悍な狼像が参拝者を迎え入れます。あばら骨が浮き出るほど引き締まった筋肉質の身体と、ギョロリと周囲を睨みつける野生の造形は圧巻の一言です。三峯神社では、狼の御眷属(神の使者)を木箱に入れて持ち帰り、1年後に返納する「御眷属拝借(ごけんぞくはいしゃく)」という独特の神事が伝承されており、現在も会社経営者や長距離ドライバーらが守護を願って列をなします。
一方の武蔵御嶽神社も、日本武尊を救った白狼を「大口真神」として祀る日本屈指の聖地です。江戸時代には「御嶽講」と呼ばれる信徒集団が関東一円で結成され、各家庭の門口に狼を描いた神札を貼り、火事や盗難を防ぐ風習が定着しました。同社は愛犬家の参拝を受け入れていることでも有名で、現代では家族同然である飼い犬の健康長寿や厄除けを祈る聖地としても定着しています。
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