耳の下の腫れ放置は危険?痛みの有無やしこりで判別する病気と受診目安
専門クリニックや大学病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科を訪れる患者のカルテや手記を紐解くと、発見から受診に至るまでのリアルな心理的葛藤と後悔のパターンが見て取れます。
大手医療相談サービスやSNSの体験談で頻繁に語られるのは、「最初の半年間はニキビかリンパの腫れだと思って放置していた」という告白です。都内の専門病院で耳下腺腫瘍の手術を受けた40代会社員の男性は、当時の心境を次のように綴っています。
「ヒゲを剃るときに耳の下にしこりがあるのには気づいていました。触るとクリクリ動くし、押してもまったく痛くない。ネットで調べても『動くしこりは良性が多い』と書いてあったので完全に油断していました。しかし1年が経過した頃、急にしこりが硬くなり、明らかに外見からもわかるゴルフボール大に肥大化。精密検査の結果、多形腺腫と診断され、顔面神経を剥離しながらの全身麻酔手術になりました。主治医からは『もっと小さいうちに来ていれば手術創も最小限で済んだのに』と告げられ、背筋が凍る思いがしました。」
耳下腺の中には、目や口の開閉、笑顔を作る表情筋をコントロールする極めて重要な「顔面神経」が網の目のように走行しています。耳下腺腫瘍は良性であっても放置して巨大化すると、この顔面神経を圧迫・巻き込み、摘出難易度が跳ね上がります。最悪の場合、術後に表情が歪む「顔面神経麻痺」という重篤な後遺症のリスクを抱えることになるのです。現場の専門医が「小さいうちの早期受診」を執拗なまでに訴え続ける背景には、こうした外科手術特有の過酷な構造リスクが存在します。
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