佐々木新一『あの娘たずねて』誕生秘話とミリオンの真相|現在追跡
『あの娘たずねて』の発売年は1966年(昭和41年)2月。当時の日本は、いざなぎ景気の幕開けとともに高度経済成長の只中にありました。地方から大都市へと多くの若者が「金の卵」として集団就職列車に乗り込み、都会の片隅で孤独や望郷の念を抱えながら汗を流していた時代です。
この時代の空気を鮮やかに捉えたのが、作詞を担当した永井ひろし氏と、作曲者の桜田誠一氏の黄金コンビでした。桜田氏は、佐々木新一の天性の武器である「哀愁を帯びた澄み切った高音」を最大限に引き出すため、民謡的な節回しとポップス感覚の歌謡曲メロディを融合させる手法を選択します。青森県出身である佐々木本人の出自と重ね合わせ、津軽の情景が目に浮かぶような音階設定が施されました。
レコード会社であるキングレコードの当時の制作記録によると、スタジオ録音時、佐々木の類まれなる声の伸びに現場のスタッフ全員が息を呑んだと伝えられています。シングル盤が店頭に並ぶや否や、有線放送やラジオのリクエスト番組には地方出身の労働者から注文が殺到。瞬く間にチャートを駆け上がり、最終的に130万枚を突破する昭和歌謡屈指のミリオンセラーへと登り詰めました。
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