山梨ほうとう有名店徹底比較!小作と不動の行列の真相と穴場2026
山梨県内でほうとうを提供する飲食店は優に300店舗以上存在しますが、観光客の認知度において群を抜いているのが「甲州ほうとう小作」と「ほうとう不動」です。両者はしばしばライバルとして比較されますが、その提供スタイルと味覚の設計思想は対極に位置しています。
県内に9店舗を構える甲州ほうとう小作は、いわば「ほうとうのエンターテインメント化」を完成させたパイオニアです。看板メニューの「熟成かぼちゃほうとう」をはじめ、豚肉、鴨肉、熊肉、すっぽんに至るまで多彩なバリエーションを誇ります。出汁は椎茸や煮干し、利尻昆布をベースに、甲州味噌の甘みと旨味を前面に押し出した濃厚仕立てです。根菜類がゴロゴロと入り、鉄鍋一杯で成人男性が一丸となって満腹になる圧倒的なボリューム感こそが、観光客の心を掴んで離さない最大の理由です。
対するほうとう不動は、富士山麓・河口湖エリアを中心に展開し、メニューのほうとうを「不動ほうとう」の1種類のみに絞り込むという潔い職人気質を貫いています。白木を基調とした伝統的店舗から、建築家・保坂猛氏が設計した雲のような白いドーム型建築が目を引く「東恋路店」まで、空間演出にも強いこだわりを見せます。そのスープは小作に比べて味噌の主張を抑え、煮干しの出汁をキリッと効かせた淡麗かつ深みのある仕上がりです。自家製麺は武蔵野うどんにも通じる力強いコシを残しており、「麺そのものを味わう」という明確な哲学が貫かれています。
両者の違いを理解せずに訪れると、「小作は濃すぎて後半飽きた」「不動は具材の種類が少なくて拍子抜けした」といったミスマッチな感想を抱くことになります。濃厚な郷土料理の醍醐味を味わいたいなら小作、麺の食感と出汁のキレを堪能したいなら不動という住み分けが、現地通の間では鉄則となっています。