ビバリウムとは?テラリウムとの違いや初心者が失敗しない作り方完全版
ネット検索で「ビバリウム」を調べる際、2019年製作(日本公開2020年)のアイルランド・ベルギー・デンマーク合作のSFスリラー映画『ビバリウム(Vivarium)』(ロルカン・フィネガン監督、ジェシー・アイゼンバーグ主演)に言及する情報が多数ヒットします。なぜ映画のタイトルにこの言葉が選ばれたのでしょうか。
この作品では、新居を探す若いカップルが「ヨンダー(Yonder)」と呼ばれる狂気的なまでに均質化された新興住宅地に閉じ込められ、段ボール箱で届けられた「謎の赤ん坊」を育て上げること(=解放の条件)を強制される不条理劇が描かれます。
映画における住宅街は、まさに「上位の観察者(人間ならざる存在)が、人間という生体を観察・飼育するために設計した巨大なビバリウム(飼育箱)」そのものです。劇中では冒頭にカッコーによる托卵(他の鳥の巣に卵を産み、育てさせる生態)のショッキングな映像が提示されます。飼育ケージの中で作られた偽物の空、無機質に供給される食事、脱出不能な閉鎖環境――。私たちがケージの中に小さな生態系を構築してガラス越しに鑑賞する行為の残酷さと知的な傲慢さを、人間自身が飼育される側に回るという反転構造によって痛烈に風刺しています。
心理学・社会学的な視点からも、この映画は「画一的な郊外住宅で子どもを育て、働き、老いて死んでいく」という近代的な家族モデルや消費社会の無限ループに対する鋭い批評として高く評価されています。ビバリウムという言葉の本質である「観察のために切り取られた人工の生息環境」を理解する上で、示唆に富むカルチャー作品といえます。
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