坂本冬美『火の国の女』誕生秘話と歌詞の意味を徹底解剖
1987年に『あばれ太鼓』で鮮烈なデビューを果たし、翌年の『祝い酒』で国民的歌手としての地位を確立した坂本冬美。初期の彼女は、威勢の良い男歌や晴れやかな祝い歌で圧倒的な支持を集めていました。しかし、デビュー5年目を迎えた1991年4月7日発売の『火の国の女』において、彼女はそれまでのイメージを大きく塗り替えることになります。
仕掛け人となったのは、彼女の師匠である作曲家の猪俣公章と、数々のヒット作を手がけた作詞家のたかたかしです。猪俣は、内弟子時代から坂本冬美の天賦の歌唱力と声の芯の強さを見抜き、「ただ勢いのある歌だけでなく、胸の奥底にある女の業や情念を歌い切れる真の表現者へ育てたい」という強い執念を抱いていました。
当時のインタビュー手記や音楽関係者の証言によると、レコーディング現場では猪俣による妥協のない激しい歌唱指導が繰り返されたと伝えられています。阿蘇の溶岩のように滾(たぎ)る情熱を声に乗せるため、坂本は自身の感情を極限まで研ぎ澄まし、まさに魂を削るような思いでこの楽曲を完成させました。
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