なぜ宝塚『江戸の黒豹』は伝説に?鳳蘭が魅せた真相と3つの見どころを徹底解説
ネット上の情報やライトな解説記事では、「1970年代中盤の宝塚=『ベルサイユのばら』一色」と単純化されがちですが、これには歴史的な見落としがあります。『江戸の黒豹』が宝塚大劇場で上演された1974年夏は、まさに月組による『ベルサイユのばら』初演(同年8月)の直前でした。
当時の宝塚歌劇団は、劇団創立60周年を迎え、変革のエネルギーに満ち溢れていました。演出の柴田侑宏は、それまでの定型的な「白塗りの日本物芝居」から脱却し、現代的なテンポ感とスピーディーな殺陣、洋楽テイストのドラマティックな劇伴を取り入れた「和物エンターテインメントの近代化」を星組の精鋭たちとともに推し進めていたのです。
『江戸の黒豹』の成功によって培われた星組のダイナミックな推進力と鳳蘭のカリスマ性があったからこそ、その後の『ベルサイユのばら(フェルゼンとマリー・アントワネット編)』をはじめとする宝塚大ブームの爆発的な牽引力へと繋がっていったという事実は、演劇史において極めて重要な視点です。
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