名曲『Let It Be』の本当の意味|解散危機と亡き母が救った真相
名曲の誕生は、ビートルズの終焉が色濃く漂い始めていた1968年秋から冬にかけての暗黒期にさかのぼります。アルバム『ザ・ビートルズ(通称ホワイト・アルバム)』のレコーディング現場ではメンバー同士の衝突が常態化し、精神的支柱だったマネージャーのブライアン・エプスタインを失ったバンドは、ビジネス面でも混迷を極めていました。 グループを存続させようと孤軍奮闘していた当時26歳のポール・マッカートニーは、過度のストレスから不眠や飲酒、精神的な消耗に苦しんでいました。そんなある夜、疲れ果てて眠りに落ちたポールの夢枕に、14歳のときに乳がんで亡くなった母メアリーが突然姿を現したのです。
自著や数々のインタビュー取材によると、夢の中のメアリーは穏やかな笑みを浮かべ、疲弊しきった息子の顔を見つめてこう語りかけました。
「大丈夫よ、ポール。すべてはうまくいくわ。だから、成るように任せなさい(It will be all right, just let it be.)」 目を覚ましたポールは、長い間胸を締め付けていた重圧がスッと消え去り、深い安らぎとポジティブな光に包まれていることに気づきました。彼はすぐにベッドを抜け出し、ピアノに向かってコードを弾きながらメロディを紡ぎ始めました。これが、世界中で語り継がれるLet It Be 誕生秘話の起点です。 歌詞冒頭の「When I find myself in times of trouble, Mother Mary comes to me(僕が困難に直面しているとき、母メアリーがやってくる)」という一節は、比喩でも神話でもなく、追い詰められたポールが亡き母から受け取った実体験そのものだったのです。
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