高樹沙耶の現在地と知られざる真相『相棒』降板から石垣島の今
テレビ朝日と東映が誇る国民的刑事ドラマ『相棒』において、高樹沙耶が演じた「花の里」の初代女将・宮部たまきは、作品の精神的支柱とも呼べる存在だった。杉下右京(水谷豊)の元妻として、事件の重圧に晒される特命係を静かな眼差しとお酒で包み込む――その凛とした佇まいは、ハードな警察組織の論理と対極にある「日常の救い」として、長年にわたり視聴者を魅了した。
2011年、Season10の幕開けとともに訪れた突然の降板劇は、多くのファンを騒然とさせた。表向きの理由は「世界を巡る旅に出るため」という劇中の旅立ちだったが、その背景には俳優業の枠組みに収まりきらなくなった彼女自身の人生観の変化があった。東日本大震災を機に、大量消費社会と中央集権的な生活様式への違和感を決定的に深めた彼女は、脚本通りの言葉を演じることよりも、地に足のついた自分自身の言葉で生きる道を選んだのだ。主演の水谷豊をはじめとする製作陣も、彼女の強い意志と生き方を尊重し、円満な形で送り出したという。
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