うつ病の朝の絶望感はなぜ起きる?日内変動の理由と夕方に楽になる真相
「朝、目が覚めた瞬間が一日の中で最もつらい」と訴える患者は、うつ病の臨床現場において極めて多数を占めます。この現象は精神医学においてうつ病日内変動の理由として研究が進められており、典型的なメランコリー親和型うつ病の中核症状として位置づけられています。
健常な生体であれば、起床に向けて交感神経が優位になり、活動の準備が整います。ところが、うつ病に罹患するとこの体内時計(サーカディアンリズム)が決定的に破綻します。本来なら夜間に分泌が抑えられ、早朝から徐々に立ち上がるはずの覚醒ホルモン「コルチゾール」が、夜明け前から過剰に暴走するか、あるいは分泌のリズムそのものが崩壊するコルチゾール分泌異常の真相が近年の研究で明らかになっています。
さらに、安心感や気分の安定を担う神経伝達物質のセロトニン不足と不安感が起床時に極大化します。脳内の神経伝達物質が枯渇している状態で、過剰なストレスホルモンに晒されるため、目覚めた瞬間に理由のない恐怖や罪悪感、耐えがたい虚無感がダイレクトに意識へ突き刺さるのです。精神科医・産業医でMedi Face代表の近澤徹氏が臨床で指摘するように、午前中にピークを迎えるこの苦しみは「心の弱さ」ではなく、生体システムが機能不全を起こした結果生じる純然たる肉体的なエラーに他なりません。
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