芥川賞作家・町屋良平の衝撃!肉体と言葉が切り拓く純文学の新境地
作家としての原点は、鮮烈なデビュー作にすでに刻まれていた。2016年に第53回文藝賞を受賞した『青が破れる』(河出書房新社)では、水泳に打ち込む若者たちの水中の感覚、皮膚と水の摩擦、言葉にならない衝動が生々しくスケッチされている。思春期の揺らぎを甘美な青春として回収せず、肉体の実感として定着させる試みは、デビュー当時から際立っていた。
さらにその実験精神は、野心作『ほんのこども』(河出書房新社)へと結実する。散文と詩の境界線を往還しながら、思考が発生する直前の肉体の反応を文字化する試みは、読者に強烈な読書体験を強いる。言葉が思考を説明するのではなく、言葉そのものがひとつの有機体となって脈打つ。この妥協なき文体の更新が、彼を唯一無二の存在たらしめている理由だ。
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