ノーマライゼーションとは?8つの原則や具体例と課題を徹底解説の疑問点について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。
バンク=ミケルセンの理念をより具体的かつ実用的な指針として世界中に普及させたのが、スウェーデン知的障害児者親の会事務局長を務めたベンクト・ニィリエ(Bengt Nirje)です。ニィリエは1969年、障害者の生活実態を評価・構築するための基準として「ノーマライゼーションの8つの原則(8つの原理)」を体系化しました。
ニィリエの8原則は、特別な特権を求めるものではなく、人間として生きるうえで誰もが享受している「生活のリズムや権利」をそのまま障害者にも保障すべきだという強いメッセージを持っています。
原則(項目)原則が示す本質的な意味具体的な生活シーンでの適用1. 1日のノーマルなリズム朝起きて、服を着替え、活動の場(学校や職場)へ出かけ、夜はくつろいで眠る生活リズム。一日中パジャマで過ごさせず、居住空間と活動空間を明確に分ける。2. 1週間のノーマルなリズム平日は仕事や学びに従事し、週末には余暇や休息を楽しむ周期的な生活。平日と休日のメリハリをつけ、趣味や外出の機会を確保する。3. 1年間のノーマルなリズム四季の移り変わりを感じ、季節の行事や休暇、家族の節目を体験すること。季節ごとの旅行や年中行事への参加、長期休暇の過ごし方の選択。4. ライフサイクルにおけるノーマルな発達体験幼年期、青年期、成人期、老年期という人生の各段階に応じた経験を積むこと。成人した障害者を「子ども扱い」せず、年齢に応じた対応と権利を尊重する。5. ノーマルな要求や自己決定の尊重自分の希望を主張し、選択し、自己決定する自由が認められること。食事のメニューや着る服、住む場所や働き方を本人が選べる環境づくり。6. ノーマルな異性関係・セクシュアリティ性的関心や恋愛、婚姻関係など、他者との親密な関係を築く権利。性教育の提供やプライバシーの保護、交際・結婚に対する過剰な制限の撤廃。7. ノーマルな経済水準・経済的安全社会福祉給付や適切な賃金により、経済的に自立した生活が営めること。最低賃金の保障や工賃向上、所得保障制度による貧困からの脱却。8. ノーマルな環境基準社会から隔離された施設ではなく、一般的な地域住民と同じ住宅・環境で暮らすこと。大規模入所施設から地域のアパートやグループホームへの移行推進。※Bengt Nirje (1969) "The Normalization Principle and Its Human Management Implications" をもとに編集部整理作成。