Tシャツの丈詰め完全攻略|プロの技と自作裏ワザ徹底比較
なぜTシャツの丈詰めは、デニムの裾上げよりも技術的に難易度が高いとされるのでしょうか。その答えは、生地の織り方とミシンの構造にあります。
デニムやスラックスなどの布帛(ふはく)生地と異なり、Tシャツは糸を編み上げた「天竺ニット」で作られています。着用や着脱時に生地が横方向に大きく伸び縮みするため、家庭用ミシンの一般的な「直線縫い(本縫い)」で裾を縫い止めてしまうと、裾を引っ張った瞬間に縫い糸が生地の伸縮についていけず、「プチッ」と音を立てて糸が切れてしまう現象が発生します。
既製Tシャツの9割以上で採用されているのがカバーステッチ天地引きと呼ばれる特殊な縫製構造です。表面には平行な2本のステッチが走り、裏面は網目状のループ(ルーパースレッド)が形成されるカバーステッチは、生地が伸びても裏糸が追従して伸びるため、糸切れを防止します。
一方、90年代以前のヴィンテージTシャツや一部の高級肌着に見られるのが「天地引き(シングルステッチ・すくい縫い)」です。表側には点のような小さなポツポツとした縫い目しか出ず、ヴィンテージ愛好家の間では「裾が天地引きであるか否か」が年代鑑定の重要な指標となっています。プロへ依頼する際は、そのTシャツの年代やテイストに合わせて「カバーステッチ」か「天地引き」かを正しく指定することが、服の風合いを壊さないための極意です。
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