大阪市65万円問題のその後は?返還手続きと裁判の行方を追う
返還に応じない対象者に対して、大阪市が裁判を起こすのかどうかという点は、法曹界や市民の間でも大きな関心事となりました。法律上、誤って受け取った給付金は民法703条に規定される「不当利得」に該当し、受給者には返還義務が生じます。
仮に受給者が誤支給であることを知りながら消費した場合(悪意の受益者)、民法704条に基づき利息を付して返還しなければなりません。しかし、自治体が実際に民事訴訟(不当利得返還請求訴訟)を提起するには、以下のような現実的なハードルが存在します。
- 訴訟コストと回収額のバランス:65万円の債権回収のために弁護士費用や裁判費用を投じることが、財政上妥当かという判断。
- 相手方の資力問題:勝訴判決を得ても、口座残高や差し押さえ可能な財産がなければ強制執行が空振りに終わるリスク。
- 行政過失の斟酌:誤って振り込んだ側の過失割合が裁判手続きでどのように評価されるかという懸念。
大阪市では悪質な隠匿や明らかな不当利得に対しては法的措置を視野に入れた強い姿勢を崩していないものの、実務上は訴訟前の和解(分割返還誓約書の締結)による回収を優先して解決を図る方針をとっています。
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