蕎麦にラー油を入れる理由とは?港屋の革新と黄金比の真実を追う

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すべての発端は2002年、東京・虎ノ門の路地裏に静かにオープンした「港屋」だった。創業者である菊地剛志氏が創り出した空間は、およそ従来の蕎麦屋の概念からはかけ離れていた。看板すら掲げず、黒を基調としたミニマルな店内には巨大な一枚板のスタンディングカウンターが鎮座し、ジャズやクラシックが静かに響く。そこで供されたのが、誰も見たことのなかった「冷たい肉そば」である。

菊地氏の目指したのは、既存の蕎麦の延長線上にある改良ではなく、完全なる再構築だった。噛みごたえのある極太麺に豚肉、ネギ、海苔、胡麻を豪快に盛り付け、甘辛いつゆにラー油を浮かべるという発想は、当時の外食産業に激震を走らせた。「蕎麦の香りを殺す」と批判する旧来の職人たちを尻目に、港屋の前には連日数百人規模の大行列が形成され、伝説として語り継がれることになる。大手町の星のや東京に構えた「港屋2」に至るまで、その求心力は一切衰えることがない。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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