プロがフリーダムのベースを選ぶ理由|驚異の100年保証と現場の真相
ネット上の掲示板やSNSでは、一部の仕様に対して先入観に基づいた誤解が散見されます。購入後に「思っていたのと違う」というミスマッチを防ぐためにも、広く流布している誤解の真相を整理しておく必要があります。
誤解1:「ステンレスフレットだからハイがキンキンする硬い音になる」
これは他社製の一般的な高硬度ステンレスフレットのイメージが混同された典型例です。FCGRが自社開発した「SP-SF-01(WARM)」は、硬度を一般的なニッケルシルバーと同等のHV210前後に設定しています。そのため、音色の周波数特性は良質なニッケルフレットそのものであり、高域が耳に刺さるような金属的な硬さはありません。むしろ、滑らかなチョーキングフィールと、フレットが摩耗しないことによる長期的なピッチ精度の維持という恩恵のみを享受できる仕様です。
誤解2:「100年保証だから、どんな故障でも無償で直してくれる」
「100年保証」という言葉のインパクトが一人歩きし、消耗品交換や事故による破損まで永久無料と勘違いされるケースがあります。当然ながら、フレットの打ち替えやポットのガリ交換、落下による破損、不適切な保管によるクラックなどは対象外です。保証の本質は、「通常の使用環境において発生した木部の狂い、ネックのねじれ、接着剥がれなど、製造上の責任に起因する構造的欠陥」に対して100年間保証するというものです。楽器の背骨である木工部分に対する、工房側の不退転の決意として理解するのが正確です。
誤解3:「ARIMIZO機構は定期的な調整が面倒で構造が脆い」
「ネジ1本で留めているなら、演奏中に緩んだりネックポケットが壊れたりするのではないか」という懸念も耳にします。しかし、ARIMIZO構造は日本の伝統木工である蟻継ぎ(ありつぎ)の原理を応用しており、物理的にネックとボディが噛み合う構造になっています。1本のボルトは固定のためというよりも「密着の圧力を微調整するためのアジャスター」として機能しており、通常使用で脱落したりガタついたりすることは構造上起こり得ません。触らなければ設定したトーンのまま数年間安定し続けます。