静かなる演技派の矜持。『Spec』からハリウッドまでを巡る軌跡
ワーナー・ブラザースが配給を担当し、世界的な大ヒットを記録した『硫黄島からの手紙』。この作品で彼が演じた元憲兵の陸軍二等兵・清水は、極限状態における人間の尊厳と葛藤を容赦なく描き出し、世界中の批評家を唸らせた。監督を務めたクリント・イーストウッドは、オーディションテープで見せた彼の目線一つに、過飾のない真実味を瞬時に見抜いたという。
ハリウッドの大規模プロジェクトでありながら、彼はハリウッド的な大げさな演技に一切流されなかった。ただそこに存在し、戦火の中で揺れ動く青年の内面を淡々と、しかし凄惨なまでに切なく体現してみせたのだ。この一作によって「加瀬亮」の名は国際的なフィルムメーカーたちのノートに深く刻まれることとなった。
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