ピースボートで「帰りたい」洋上の孤立と途中下船のリアル費用
精神的あるいは身体的な限界を迎え、航海の途中で旅を切り上げる「途中下船」を決断した場合、どのような現実が待ち受けているのか。運航実務や旅行企画を手がけるのは株式会社ジャパングレイスである。旅行業法および同社の募集型企画旅行約款に基づき、乗客にはいつでも旅行契約を解除して帰国する権利が法的に認められている。
だが、その代償は小さくない。自己都合による途中下船の場合、残りの旅程に関する船室代や食事代などの旅行代金は、原則として一切払い戻されない。観光庁の標準旅行業約款に準じた規定により、乗客側の都合による離脱では既納金の返還義務が生じないためだ。
さらに重くのしかかるのが、寄港地から日本への帰国費用だ。現地の空港までの移動費、日本への片道航空券代、フライトまでの滞在ホテル代はすべて自己負担となる。ヨーロッパや中南米といった日本から遠く離れた寄港地からの緊急帰国となれば、直前手配の航空券だけで数十万円が吹き飛ぶ。下船港での出入国手続きやビザの扱い、港湾当局への離船申請など、煩雑なペーパーワークも自力でクリアしなければならない。
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