和風月名を丸暗記なしで完全攻略!語源と語呂で一生忘れない記憶術
ここで一つの疑問が生じる。8月が「葉落ち月」で、10月が「霜月」ではないのか。真夏に葉が落ちるはずがない、と現代の感覚では違和感を覚えるのも無理はない。このズレを解消する鍵は、天文学と歴史の交差点にある。
江戸時代、日本独自の正確な暦作りに命を捧げた天文学者・渋川春海の奮闘は、ベストセラー小説『天地明察』でも広く知られるところだ。彼が編纂した貞享暦をはじめ、当時の人々が用いていた暦は太陽と月の運行を組み合わせた太陰太陽暦であった。
国立天文台が解説するように、旧暦と私たちが使う新暦(太陽暦)の間にはおよそ1か月から1か月半の季節のズレが存在する。つまり旧暦の8月は現代の9月頃、旧暦の10月は11月頃に相当するのだ。そう考えれば、8月に木々が葉を落とし、11月に霜が降りるという描写は、当時の気候感覚と寸分の狂いもなく一致する。暦の構造を知ることは、言葉のリアリティを取り戻す作業そのものである。
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