45歳の現実が突きつける離婚届の重み――『後ハッピーマニア』が描く令和の愛執と崩壊の結末
傷心と怒りに狂うシゲタの前に再び現れるのが、前作で彼女を散々振り回した元カレ・福島だ。歳を重ねてなお衰えない色気と、相変わらずの身勝手さ。家を追い出され、精神的に追い詰められたシゲタは、吸い寄せられるように福島との距離を縮めていく。
だが、これは甘美なロマンスの再燃などではない。お互いに若さを失い、生活の垢にまみれた中年の男女が差し出し合うのは、癒やしではなく執着の残骸だ。福島との関係にすがりつこうとするシゲタの姿は痛々しく、同時に恐ろしいほどリアルである。「昔の男」は救世主にはなり得ない。むしろ過去の幻影に囚われることで、彼女の孤立はさらに深まっていく。
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