ガッツポーズ発祥の真相|ガッツ石松説の誤解と武道で禁じられる理由

ガッツポーズ発祥の真相|ガッツ石松説の誤解と武道で禁じられる理由の全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。

西洋発祥の近代スポーツでは爆発的な感情表現がエンターテインメントとして歓迎される一方、日本の伝統競技では激しい制限を受けます。その筆頭が剣道です。全日本剣道連盟の試合審判細則には、有効打突を決めた後にガッツポーズなど不適切な所作を行った場合、審判員の合議によって一本を取り消すという厳格な競技規則が存在します。

この厳しい制裁の根底にあるのが、武道における至高の概念である「残心(ざんしん)」です。技を放った直後であっても相手の反撃に即座に対処できるよう、心身の警戒を解かない姿勢を意味します。技を決めた直後に拳を握り歓喜に浸る行為は、残心の完全な放棄とみなされるのです。

この哲学は大相撲の土俵でも一貫しています。歴代の横綱・大関が勝利の瞬間に決して表情を崩さず、土俵上でガッツポーズを厳に慎んできたのは「負けた相手への敬意と礼節」を欠かさないためです。土俵から転落した対戦相手を目の前にして勝ち誇る姿は、品格を著しく損なう非礼と断じられます。「勝って驕らず、負けて怨まず」という相互尊重の掟が、現代のプロ競技においても強烈に息づいています。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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