サンタナ名盤『キャラバン サライ』制作秘話と最新リマスターの全貌
完成した音源を聴いたコロムビア・レコードの首脳陣は言葉を失った。3分半のラジオ向けシングルが1曲も存在しないばかりか、A面の大半がシームレスに繋がった長大なインストゥルメンタルで構成されていたからだ。当時の社長クライヴ・デイヴィスが「キャリアの破滅だ」と警告したのも無理はない。
だが、ふたを開けてみればアルバムは全米チャート上位に食い込み、プラチナディスクを獲得する。シングル至上主義に縛られていた当時の音楽産業に対して、リスナーが求めていたのはアルバム全体を通じて体験する「音の旅」そのものだった。本作の成功は、商業的な型に囚われずとも純粋な芸術性によって巨大なマーケットを動かせるという、前例のない証明となったのである。
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