人類唯一の完全制圧「天然痘」なぜ撲滅できた?致死率と今の脅威
近年、国際的な感染拡大が報告されている「エムポックス(旧称:サル痘)」は、天然痘と同じポックスウイルス科オルソポックスウイルス属に属する近縁のウイルスです。そのため臨床症状に多くの共通点がありますが、決定的な相違点も存在します。
エムポックスは本来、アフリカのげっ歯類や霊長類を自然宿主とする人獣共通感染症です。天然痘がヒトのみを宿主としていたのに対し、動物界にウイルスが潜んでいるため、地球上から完全に根絶することは極めて困難です。
また、病態の重症度にも大きな差があります。エムポックスは発熱や発疹に加えて「リンパ節の腫れ」が目立つ特徴があり、致死率はClade I(コンゴ盆地型)で数%〜10%程度、Clade II(西アフリカ型)では0.1〜1%未満と、天然痘に比べると毒性は控えめです。なお、天然痘ワクチン(種痘)を接種していると、交差免疫によりエムポックスに対しても約85%の発症予防効果が得られることが知られています。
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