国宝の城はなぜ5つだけ?現存天守の謎と2026年最新の魅力を徹底解剖
現在、日本の文化財保護法において天守などが国宝に指定されている「国宝五城」は、いずれも異なる建築様式と美しさを誇ります。それぞれの城が持つ独自の価値を整理しました。
1. 姫路城(兵庫県姫路市)|白鷺城と称される世界遺産の最高峰
1993年に日本で初めてユネスコ世界文化遺産に登録された姫路城は、大天守と3つの小天守を渡櫓で結んだ連立式天守の完成形です。白漆喰総塗籠造の優美な姿から「白鷺城(しらさぎじょう)」とも呼ばれ、大天守のみならず渡櫓や門など合計8棟が国宝に指定されています。防御性能と美観が極限まで融合した木造建築の奇跡です。
2. 松本城(長野県松本市)|漆黒の壁と北アルプスが織りなす連結複合式天守
黒漆塗りの外観から「烏城(からすじょう)」の異名をとる松本城は、戦国末期の武骨な大天守・渡櫓・乾小天守に、泰平の世となった江戸初期に増築された辰巳附櫓・月見櫓が合体した連結複合式天守です。戦乱期と平和期という異なる時代の建築が一つの天守群に同居する希少性が極めて高く評価されています。
3. 犬山城(愛知県犬山市)|木曽川の崖上にそびえる日本最古級の天守様式
木曽川沿いの小高い山上に建つ犬山城は、下層の建物の上に物見の望楼を載せた初期の望楼型天守の姿を色濃く残しています。天守最上階をぐるりと巡る廻縁(高欄)からの絶景は格別で、中世城郭から近世城郭へと移り変わる過渡期の構造を今に伝える貴重な遺構です。
4. 彦根城(滋賀県彦根市)|多彩な破風が彩る国宝指定の完成された美
関ヶ原の戦い以降に築かれた彦根城は、切妻破風や入母屋破風、唐破風など多彩な破風を巧みに配置した装飾性の高い外観が際立ちます。三重三階と規模は比較的小ぶりながら、牛蒡積みによる強固な石垣や複雑な縄張りを持ち、天守や附櫓など合計2棟が国宝に指定されています。
5. 松江城(島根県松江市)|2015年に国宝再指定を果たした山陰の名城
山陰地方で唯一の現存天守を持つ松江城は、黒塗りの雨覆板(下見板張り)で覆われた重厚な望楼型天守です。戦前の旧国宝から戦後の法改正で一度は重要文化財となっていましたが、後述する決定的な史料発見により、2015年に63年ぶりとなる国宝への返り咲きを果たしました。