伝説のボカロP「ハチ」の正体とは?米津玄師の原点と2026年の現在
2013年の『ドーナツホール』発表後、米津玄師としての活動が多忙を極めたこともあり、ハチ名義での楽曲制作は事実上の休止状態に入りました。ファンの間では「ボカロPからの引退」が囁かれていましたが、その沈黙を破ったのが2017年の『砂の惑星』でした。
『砂の惑星』の歌詞は、「かつて緑豊かだった大地が枯れ果て、砂漠になってしまった」というボカロシーンの現状を痛烈に描いたものでした。「何もない砂場」「雷鳴響くサイレン」といったフレーズは、黎明期の熱気が去り、どこか定型化した制作ルーティンに陥っていた界隈に対する強烈なカンフル剤として作用しました。
しかし、これは決してボカロ文化を突き放すための批判ではありませんでした。後年のインタビューでも明かされたように、自らを育ててくれた「故郷」への深い愛憎と、若い世代に向けて「この砂漠の先を耕し、新しい種を蒔いてくれ」という次世代へのバトンタッチのメッセージが真の意図だったのです。この楽曲を契機に、Ayase(YOASOBI)やsyudouをはじめとする新世代のボカロPたちが次々と立ち上がり、ボカロシーンは再び未曾有の黄金期へと突入していくことになりました。
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