昭和史の闇『日本の黒い霧』未公開機密文書が明かす黒幕の真実
数ある戦後サスペンスの中でも、極めて異彩を放つのが1949年に発生した下山事件だ。初代国鉄総裁の下山定則氏が失踪し、翌日線路上で遺体となって発見されたこの事件は、自殺か他殺かを巡り捜査現場でも意見が真っ二つに分かれた。
最高権力者であったダグラス・マッカーサー元帥率いる連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の占領下において、労働運動の過激化や大量解雇に伴う緊張が高まっていた時期である。清張は自著『日本の黒い霧』の中で、特務機関や占領軍内部の防諜部隊の動向に着目し、政治的思惑による他殺説の可能性を強く指摘した。警察捜査の手が届かない「聖域」の存在を告発した彼の検証は、今なお色あせることのない緊張感を漂わせている。
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