赤ちゃんポストに預けられた子の現在|慈恵病院の歩みと内密出産の真実
慈恵病院が2007年に赤ちゃんポストを導入した最大の理由は、孤立出産による新生児遺棄死の撲滅でした。当時、誰にも相談できず公園や自宅のトイレなどで人知れず出産し、パニックに陥った末に生まれたばかりの命を遺棄してしまう痛ましい事件が全国で後を絶ちませんでした。
慈恵病院の元理事長である故・蓮田太二医師は、「法的な批判やバッシングを恐れて命を見殺しにはできない」という強い信念のもと、命を救う緊急避難場所の創設を決断しました。そのモデルとなったのが、2000年代初頭から運用が始まっていたドイツの「ベビークラップ(Babyklappe)」の事例です。
ドイツでは民間団体や教会を中心に数百箇所のベビークラップが設置され、一定の成果をあげていました。慈恵病院はこのドイツの先行事例を視察・研究し、日本の法制度の限界と向き合いながら、行政や警察との協議を重ねて開設に漕ぎ着けた経緯があります。
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