【密着】50代で掴んだ主役の座——遅咲きの名優・山口馬木也が殺陣に託した覚悟と時代劇復活への足跡
1973年、岡山県に生まれた彼のキャリアは決して平坦なものではなかった。京都の映画撮影所に漂う独特の緊張感の中、先人たちが残した「殺陣」の作法を体に叩き込む日々。時代劇の枠組みが徐々に縮小し、若手俳優が伝統的な立ち回りを学ぶ機会が激減していく中でも、彼は泥臭く愚直に刀の振り方、身体の捌き方を研ぎ澄ませてきた。
ドラマ『剣客商売』での名演をはじめ、玄人筋からの評価は常に高かった。しかし、主役としてスポットライトを全身に浴びる機会は限られていた。それでも彼は腐ることなく、舞台の板の上、そしてカメラの前でただひたすら己の芸を磨き続けた。その蓄積こそが、後に大きな花を咲かせる深遠な根となったのだ。
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