ホッキョクグマの毛は白くない?透明な毛と黒い地肌の驚きの秘密
動物の体毛や皮膚の色は、通常メラニンをはじめとする色素によって決定されます。黒や茶色の毛はもちろん、哺乳類の白い毛であっても色素細胞の働きが関与していますが、ホッキョクグマの体毛には色素そのものが存在しません。顕微鏡で毛を拡大観察すると、ガラス管のように透き通った無色透明であることが確認できます。
さらに特筆すべきは、その特殊な毛の構造です。ホッキョクグマの毛は中心部分がトンネルのように空洞になった「ストロー状(中空構造)」になっています。外側の硬い保護毛(ガードヘア)の芯に空気が閉じ込められており、この構造が極地での過酷な生存競争において決定的な役割を果たしています。
このストロー状の空洞には、優れた断熱材としての空気層が形成されます。外気温がマイナス40度を下回る過酷なブリザードの中にあっても、内部の空洞が体温の放出をシャットアウトし、極限の寒さから身を守る強固なシールドとして機能しているのです。
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