昭和のアウトロー精神が交錯した奇蹟のTv劇『傷だらけの天使』—半世紀を経ても色あせないキャストたちの光と影
オープニング映像を忘れる者はいない。水泳用キャップにゴーグルを装着し、コンビーフをかじり、牛乳とトマトジュースを荒々しく流し込む。萩原健一が演じた主人公・木暮修のあの数分間のシーケンスは、昭和のテレビ史における金字塔だ。
当時20代半ばだった萩原は、従来のハンサムなヒーロー像を完膚なきまでに破壊してみせた。彼が劇中で着用した「メンズ・ビギ」のジャケットや革ジャンは若者文化に絶大なムーブメントを巻き起こし、ファッションとドラマの融合という新たな地平を切り拓いた。台本を軽々と踏み越える野生的なアドリブ、時折見せる無邪気な笑顔と背裏に漂う孤独。萩原健一という規格外の役者が存在しなければ、この作品の伝説は始まらなかった。
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