カカオの常識を塗り替える至高の味!三枝俊介が拓くショコラの未来
ショコラティエ パレ ド オールの名を語る上で外せない最高傑作が、日本酒の銘酒とカカオが奇跡の融合を果たした「獺祭ショコラ」だ。しかし、この伝説的なコラボレーションの裏には、幾度となく繰り返された試行錯誤と知られざるドラマが存在した。
山口県の銘蔵・旭酒造が誇る名酒「純米大吟醸 磨き二割三分」。その繊細を極めた華やかな吟醸香と米の旨味は、一歩間違えればカカオの強い苦みや油脂分によってかき消されてしまう。三枝俊介は酒の輪郭を殺さず、かつショコラとしての厚みを持たせるための黄金比率を徹底的に追い求めた。ガナッシュに練り込む酒の温度、乳化のタイミング、合わせるカカオの酸度バランス——。幾十通りもの試作の末に辿り着いたのは、ビタータイプとミルクタイプという性格の異なる2種類のボンボン・ショコラによるアプローチだった。
カカオの芳醇なビター感の中に獺祭の力強い華やぎが立ち上る一粒と、まろやかなミルクのコクに米の芳醇な甘みが溶け合う一粒。表面には職人の手で極薄の金箔と微細な塩が添えられ、口に含んだ瞬間に日本酒の雫が舌の上で弾けるような鮮烈な体験をもたらす。異ジャンルの職人同士が互いの矜持をぶつけ合い、妥協なく完成させたこの名作は、今や国内外の美食家がこぞって指名買いする不朽の定番となっている。
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