妹島和世の名作「大倉山集合住宅」湾曲する壁と革新の間取り解剖
この名作を生み出したのは、世界的な評価を受ける妹島和世建築設計事務所である。従来の日本の集合住宅は、四角いコンクリートの箱を積み重ね、共用廊下から玄関ドアを開けてプライベート空間へ入るという画一的なアプローチが主流だった。しかし、妹島はその固定観念を根本から揺さぶった。
大倉山集合住宅では、敷地全体に3つの中庭を穿ち、それを取り囲むように9つの住戸を配置している。住戸同士を分断するのではなく、緩やかなカーブを描く外壁によって「つなぎながら分ける」という空間構成を実現した。街に対して完全に閉ざすのでもなく、無防備に開くのでもない。都市の喧騒と個人の静謐な時間をシームレスにつなぐグラデーションが、ここには具現化されている。
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