ユッケ食中毒は何時間後に発症?潜伏期間と重症化サイン・安全基準を解説
ユッケによる食中毒が単なる胃腸炎と決定的に異なるのは、短期間で生命を危機に晒す重篤な合併症を引き起こす点にあります。ユッケ食中毒で死亡事故が起きる最大の原因は、腸管出血性大腸菌が産生する強烈な毒素「ベロ毒素(志賀毒素)」にあります。
腸管内で増殖したO157などが放出するベロ毒素は、腸の粘膜を破壊して毛細血管から血流へと侵入します。この毒素が全身を巡ることで引き起こされるのが、溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)です。
HUSを発症すると、赤血球が次々と破壊されて重度の貧血(溶血性貧血)に陥るだけでなく、破壊された赤血球の残骸や血栓が腎臓の微細な血管を詰まらせ、急激な急性腎不全を引き起こします。さらに恐ろしいのは、毒素が脳の血管内皮細胞を攻撃して生じる急性脳症です。激しいけいれんや意識障害、昏睡状態に陥り、不可逆的な後遺症を残すか、最悪の場合は命を落とすことになります。
特に抵抗力の弱い乳幼児、小児、高齢者は毒素への感受性が極めて高く、発症から数日で病態が急変するケースが確認されています。単なる下痢や腹痛と侮ることは決して許されません。
タグ:
https://aitraining.bnsf.com/siahopeg/2898685/