老後を抉る毒舌と本音!内館牧子の人気本&名著おすすめ全解説
内館牧子という名を聞いて、真っ先に思い浮かぶのが『終わった人』だろう。大手銀行のエリートコースから外れ、そのまま定年を迎えた主人公の苦悩と未練。世間からは「終わった」とみなされながらも、抗おうとする男の姿はあまりにも切なく、そして滑稽だ。毒舌でありながら愛を込めて描かれる主人公の迷走劇に、同世代の読者は思わず身につまされる。
一方、『すぐ死ぬんだから』では70代女性の美意識とプライドが炸裂する。「どうせ死ぬんだから」と身なりを構わなくなった周囲の高齢者に抗い、おしゃれと品格を保とうとする姿が痛快だ。しかし、物語は単なる痛快劇では終わらない。不意に突きつけられる家族の秘密と残酷な真実。思わずクスリと笑わせた直後にズシリと重いパンチを食らわせる展開こそ、彼女の真骨頂だ。
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