柳条湖事件の真相と満州事変の全貌|石原莞爾の思惑と自作自演を完全解説

柳条湖事件の真相と満州事変の全貌|石原莞爾の思惑と自作自演を完全解説に関する注目トピックを分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。

柳条湖事件の最大の特徴は、関東軍による完全な自作自演(偽装工作)だった点にあります。事件当日の午後10時20分頃、奉天北方の柳条湖付近において、関東軍の島本大隊に所属する河本末守中尉らが南満州鉄道(満鉄)の線路に小型爆薬を仕掛けて爆破しました。

爆破の規模はきわめて小さく、レールが数十センチ破損した程度でした。実際、爆破の直後に現場を通過した長春行きの急行列車は脱線することもなく無事に通過しています。しかし関東軍は「中国兵(張学良指揮下の東北軍)による計画的な破壊工作である」と主張し、あらかじめ準備していた部隊を即座に発進させ、奉天城や周辺都市への全面攻撃を開始しました。

この謀略を主導した中心人物が、関東軍作戦主任参謀の石原莞爾中佐と、高級参謀の板垣征四郎大佐です。彼らが軍規違反と国家反逆のリスクを冒してまで強行に及んだ背景には、主に3つの強烈な動機がありました。

第一に、「満蒙領有論」と国防上の戦略です。石原莞爾は、いずれ世界は東洋の覇者・日本と西洋の覇者・アメリカによる「世界最終戦」を迎えると構想していました。その決戦に備える資源供給基地およびソビエト連邦への防波堤として、鉱物資源や農業生産力に富む満州の完全掌握が不可欠だと信じ込んでいたのです。

第二に、深刻な経済危機(昭和恐慌)の打破です。当時、1929年に始まった世界恐慌の余波で日本国内は失業者があふれ、農村部では娘の身売りが起きるほどの困窮状態にありました。「満州の権益を広げれば日本経済は救われる」という世論が形成されつつありました。

第三に、張学良政権による反日・国権回収運動への焦りです。当時、満州を実効支配していた張学良は中国国民政府(蒋介石)に合流し、満鉄に対抗する独自の並行鉄道を敷設するなど、日本の既得権益を排除する動きを急速に強めていました。東京の日本政府(若槻禮次郎内閣および幣原喜重郎外相)が進める対中協調外交に苛立ちを募らせた関東軍幹部は、「軍事行動による既成事実化」で事態を一気に打開しようとしたのです。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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