天才か、それとも冷酷な捕食者か?偉人とサイコパスの危うい境界線
フィクションの世界において、この心理的暗部を最も強烈に肉体化してみせたのが映画『アメリカン・サイコ』だ。主演を務めたクリスチャン・ベールは、ウォール街の欲望にまみれたエリートでありながら、夜な夜な猟奇的な殺人を繰り返す主人公パトリック・ベイトマンの「空洞化した心」を見事に演じ切った。
作中で描かれるベイトマンの姿は、完璧な容姿やステータスで身を固めつつも、内面には他者への共感が1ミリも存在しない。演技派俳優として名高いベールは、ビジネスの成功者が持つ過剰なナルシシズムと、反社会的な殺意が紙一重であることを不気味なほどのリアリティで表現した。観客が覚える背筋の凍るような恐怖は、私たちのすぐ隣にそんな存在が潜んでいるかもしれないという予感に起因している。
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