しまなみ海道の絶景と限定グルメ、来島海峡Saを極める現地ルポ
展望台から見下ろす海面をよく観察すると、川のように猛烈な勢いで流れる潮流と、激しく泡立つ大小の渦潮が視認できる。最大10ノット(時速約18キロ)に達するこの海の難所こそ、日本初の国立公園に指定された瀬戸内海国立公園の中核をなす自然美の現場だ。
中世、この複雑な潮流を味方につけて瀬戸内海の制海権を握ったのが、日本最大の海賊と称される村上海賊(村上水軍)である。彼らは要塞のような芸予諸島に城を構え、独自の航海術と武力で海上の秩序を支配した。眼前に浮かぶ小さな島々は、かつて水軍の砦や見張り台が置かれた歴史の舞台そのものだ。
穏やかな多島美の裏側に潜む、荒々しい海のエネルギーと武士たちの歴史ロマン。インフォメーションコーナーに展示された古地図や解説パネルに目を通せば、ただ美しいだけではない、この海域が持つ重層的な物語が浮かび上がってくる。
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