言葉で射抜くボーカリスト渋谷龍太が語る覚悟とバンドの現在地
ボーカリストとしての圧倒的な存在感の一方で、渋谷龍太は類まれな文才を持つ書き手でもある。初の小説・エッセイ集となった『吹けば飛ぶよな男だが』を読めば、ステージ上の力強い姿とはまた異なる、極めて繊細で客観的な観察眼に驚かされる。
東京の下町で生まれ育った彼が捉える街の匂い、人間関係の機微、日常に転がる些細な違和感や愛おしさ。衒いのない筆致で綴られる文章には、彼がなぜあれほどまでに人の痛みに寄り添えるのか、そのルーツが色濃く滲み出ている。
ステージで堂々と歌い上げる姿と、ひとりの人間として逡巡し葛藤する内面。そのギャップこそが、表現者・渋谷龍太の立体的な魅力となっている。言葉という道具に対して誰よりも誠実であり、安易な表現でごまかさない彼の執筆活動は、音楽ファン以外の読書層からも高い評価を獲得している。
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