人類唯一の完全制圧「天然痘」なぜ撲滅できた?致死率と今の脅威

人類唯一の完全制圧「天然痘」なぜ撲滅できた?致死率と今の脅威についての真相をご紹介します。

天然痘を引き起こす「天然痘ウイルス(Variola virus)」は、非常に強い感染力と毒性を持つオルソポックスウイルス属の病原体です。感染経路は主に飛沫感染や接触感染で、患者の咳やくしゃみ、皮膚の病変部に直接触れることで人から人へと広がります。

天然痘ウイルスの潜伏期間は約10〜14日(短ければ7日、最長17日程度)とされています。潜伏期間中は自覚症状がほとんどありませんが、発症すると突然の悪寒とともに39〜40度前後の急激な高熱、激しい頭痛、腰痛、関節痛といった過酷な初期症状に見舞われます。

発熱から数日後、口内や顔面、手足の末端を中心に特徴的な赤い斑点(丘疹)が出現します。この発疹は次第に水疱となり、内部に膿が溜まる「膿疱」へと変化。全身の皮膚がただれ、耐え難い激痛を伴います。特に重症型の「大痘瘡(Variola major)」における天然痘の致死率は約20〜50%に達し、多くの患者が出血斑や多臓器不全、二次感染によって命を落としました。

幸いにも一命を取り留めた生存者に対しても、ウイルスは過酷な傷痕を残しました。膿疱がかさぶたとなって剥がれ落ちた後、皮膚深部の真皮が破壊されたことで特徴的な陥没痕である「天然痘の跡(あばた)」が生涯残り、角膜に病変が及んだ場合は失明に至るケースも珍しくありませんでした。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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