事故から27年、ネットを漂う「惨劇の記録」と「偽写真」の真実——東海村臨界事故の写真が突きつける現代の倫理
放射線は五感で感じ取ることができない。無味無臭であり、肉眼で見つめることも不可能な存在だ。この「見えない恐怖」に対する人間の強い不安こそが、センセーショナルなビジュアルを求める心理的土壌を作り出していると心理学者やメディア研究者は指摘する。
人間は正体不明の脅威に直面したとき、それを具体的な「形」として捉えることで恐怖を処理しようとする傾向がある。そのため、たとえ根拠が怪しい画像であっても、「これが放射線障害の真実だ」と提示されると、疑うよりも先に受け入れて拡散してしまう傾向が強まる。情報の受信者が自らの不安を解消するために視覚的ショックを消費してしまう構図は、現代のSNS社会においても何ら変わっていない。
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