安楽死の方法と分類を徹底解剖|尊厳死との違いや海外制度・日本の現在地
2026年現在、日本国内において安楽死を明文化した個別法制は存在しない。医師が患者の生命を意図的に断つ行為は、刑法第199条(殺人罪)や刑法第202条(嘱託殺人罪・承諾殺人罪・自殺幇助罪)の適用対象となる。
過去に医師が刑事責任を問われた重大事件の司法判断を通じて、例外的に違法性が阻却される(処罰されない)要件が示されてきた経緯がある。
1962年の名古屋高裁判決(消極的・積極的安楽死に関する6要件)に続き、現代の終末期医療の議論で参照されるのが1995年の東海大学病院事件判決(横浜地裁)である。この判決では、医師による積極的安楽死が許容されるための厳格な4要件が提示された。
- 患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること
- 患者の死が避けられず、末期状態(死期が切迫していること)であること
- 患者の肉体的苦痛を除去・緩和するための代替手段を尽くしたこと
- 患者本人の真摯な意思表示が存在すること
東海大事件では、担当医が家族の強い嘆願を受けて塩化カリウムを投与したものの、本人の明確な意思確認がなく代替医療も尽くされていなかったとして、有罪判決(懲役2年・執行猶予2年)が下された。日本において実質的に医師による積極的安楽死が適法と認められた前例は一度もない。
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