「植物油は体に悪い」は本当か 最新論文が明かす炎症リスクの真相
植物油がこれほど日常の食卓を席巻するようになった歴史を紐解くと、20世紀半ばのアメリカの生理学者アンセル・キーズの存在に行き着く。彼が唱えた「飽和脂肪酸こそが心臓病の元凶である」という説は、当時の行政や医学界に強烈なインパクトを与えた。バターやラードなどの動物性脂質は目の敵にされ、その代替品として植物油の消費が世界中で推奨されたのだ。
だが、その理論の足場は決して強固ではなかった。キーズの疫学調査には都合の良いデータのみを選択したという批判が絶えず、同時に摂取されていた精製炭水化物や糖質の影響を軽視していた点も指摘されている。数十年が経過した現在、かつて正解とされた「脂肪=悪」の単純な構図は、栄養科学の進歩によって大きな見直しを迫られている。
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